珍しく訪問の翌日に更新。
この週末は謎に銀座周辺にばかり予定があって、トリを飾るのがこのペニンシュラのラウンジでいただくアフタヌーンティ。何という贅沢。
大学時代の友人とアフタヌーンティに行きたいねという話になり、5月中旬頃に色んなホテルを見てみたが6月後半の土日は満席のところが多く、ギリギリで何とか予約が取れたのがペニンシュラだった。
https://www.peninsula.com/ja/tokyo/hotel-fine-dining/the-lobby-afternoon-tea
目の前を通った事は数あれど、中に入るのはこれが初めて。
今は中々お目にかかれない回転扉(しかもスタッフの方が回してくれる)を通り抜けると、目の前に豪奢なラウンジが。
真ん中が通路になっていて待合用と思しきソファもある。
両脇が今回アフタヌーンティを頂くザ・ロビーの客席で、通路を抜けて左に進むとホテルの受付があるという作り。
ペニンシュラの白い制服、とても特徴的で清潔感とホテルの矜持みたいなものが感じられて好き。
今回はピーターラビットがモチーフとされており、このような可愛い冊子がメニューとして配られる。
表紙のピーターラビットとペニンシュラ・ベアのPETERくんを見て、もしかしてピーターラビットとコラボしたのはPETER繋がり?と今更思ったりなどした。
メニューはこんな感じ。
ティーフリーフローなので、飲みたいものの目星をこの時点で既につけ始める。
最初に土日祝のプランに付いてくるオリジナルカクテルが供された。人参のような明るいオレンジ色で、シュワシュワしていて美味しい。
この日は非常に暑かったのでゴクゴク飲んでしまった。
何が入ってるのかスタッフの方に聞こうと思っていたのにすっかり失念。多分グレナデンは入っていたと思う。
そして暖かいスコーンがお皿の上に。
クロテッドクリームとストロベリージャムも。
ジャムの味を選べないのは少し残念だが、この釜めしの容器みたいな入れ物が可愛い。
このスコーンが本当に美味しくて美味しくて……!
今まで食べてきた中で断トツに美味しかった。クロテッドクリーム狂の私にとって、スコーンはクロテッドクリームを美味しく食べる為のものという逆転が起こっていたのだが、このスコーンはこれまでの概念を一新するくらい衝撃的な美味しさだった。
もし美味しんぼでスコーン回があったら、山岡さんが「本当のスコーンを食べさせてあげますよ」と言って持ってくるのはこのスコーンだと思う。
表面はカリッとしているが、特筆すべきは圧倒的なしっとり感。
スコーン特有のパサつきは皆無で、バターの良い香りがスコーンを割っただけで鼻をくすぐる。
口に入れてもマドレーヌやフィナンシェのようなしっとり感がありつつもしっかりと歯応えもあり、かと思えばホロホロと崩れて口当たりの良いクリームと共に溶けていく。
単体でもほんのり甘みがあるので、そのままでも十分美味しい。
レーズンは全く何もつけずにいただいた。表面に出ているレーズンは水分が飛んでねっとりした食感が強まっており、旨味が凝縮されていてすごく美味しい。
クロテッドクリームとジャムもすごく美味しかったのだけど、これらを付けて食べるのは美味しくて当たり前で、単体で美味しいスコーンに付けるのは勿体ないと思ってしまうくらい、スコーンが美味しすぎた……
一緒にいった友達も同じ意見だったらしく、アフタヌーンティ終了後、地下のブティックに連れだって赴きスコーンを買って帰った。
そしてメインのスタンドが到着。
3人で伺ったので、2人用のと1人用のスタンドで供された。
クラシックなケーキスタンドも素敵だが、この立体的で遊び心のある鳥籠デザインはどうにもワクワクしてしまう。
クロックマダム。
見た目はコロンとしたキューブ型のコロッケのようだが、中にはハムとベシャメルソースが入っている。
スモークサーモンと卵サラダのピンクサンドイッチ。
ほんのりピンク色のパンに挟まれた、一口サイズのサンドイッチ。
サイズは小さいが一口頬張ると卵のコクとスモークサーモンの香りと脂がしっかりと感じられて、かなり満足感のある一品。
パテ・ド・カンパーニュ。
上に載っているのは桜大根。
照り焼きチキンロール。
チキンや人参がキュウリに巻かれている。
照り焼きチキンのジューシーさとお野菜のさっぱり感のバランスが良い。
ノルウェーシュリンプと人参のムース。
濃厚な人参のムースの上にプリっとした小エビがたっぷり。
これはこの日のセイボリーの中ではかなりお気に入り。
サワーチェリーとフォワグラ。
軽い食感のパイの上に濃厚なフォワグラと酸味のあるチェリーが乗っている。
お肉にフルーツを合わせるの、海外だとちょくちょく見る。好みは分かれると思うが私は好き。
キャロットケーキ。
見た目は鮮やかなオレンジだけど、人参の癖のある味は全く無い。
チェリーロールケーキ。
これ、実はスタンドに乗っていた分は上のクリームとラズベリーが自重でテーブルに落ちてしまって、それを店員さんに伝えたら別で持ってきていただいたもの。
お心遣いに感謝。
ロールケーキはスポンジというより何かの皮っぽいしっかり目の食感だった。
レモンフランとメレンゲのタルト。
食べた瞬間、知ってる味がする!!何だ!?となり、食べ終わるまでじっくり考えてみたが、桜餅の味だった。
基本はレモンの爽やかな酸味が効いているのだが、ほんの~り桜の味がした。真相は不明。
チョコレートトリュフトルテ。
ピーターラビットのジャケットをイメージしたであろう青いコーティングが可愛い。
中は想像以上にねっとりしたチョコレートソース?ムース?が詰まっていて、見た目より重めのデザートだった。
マクレガーさんの畑。
名前からはどんなデザートが来るのか全く想像出来なかったが、こんなに可愛らしいコロンとしたスイーツだとは。
チョコレートで作られたスコップ、食べるのが勿体ない(食べたけど)。
ホワイトチョコの球体の中にはイチゴとカスタードクリームが入っていた。
ホワイトチョコレートとチーズのテリーヌ。
上のチョコレートのモチーフの説明をスタッフの方がしてくれたのだけど、すっかり忘れてしまった……
マジパンが入っているのか、チョコレートとは違い重くてほんの少しザラっとした食感。
テリーヌ部分はチーズがそこまで主張しておらず、甘みが強い。
お茶はブレックファストから始まり、アプリコットシトラス、ラズベリーネクター、アッサムを頂く。
2杯分入っているポットで供されるのであまり沢山試せなかった。マスカット飲んでみたかったなぁ。
高級ホテルの素敵な内装、落ち着いた空間の中で気心の知れた友達とゆっくりお茶をする時間はたっぷり楽しませていただいた。
けれど、期待していた程の体験は正直出来ていない。
まず、スタンドに盛られたセイボリーやスイーツのレベルがそんなに高くない。
今記事を書きながら思い返してみても、これは美味しかった!とかもう一度食べたい!と思うものは一つもない。
これは単純に一口サイズだからそんなに印象に残らないとか、そういう話では無いと思う。
一口サイズだろうと、私はブリアンツァさんで食べたお肉や石島さんで食べたとろたくの美味しさと衝撃を一生忘れることは無い。
この日食べたものの中で唯一手放しで美味しかった!と人に勧めたいのはスコーンのみ。
感動のピークはスタンドが目の前に置かれたところで、後は上がることの無いグライダーのような感じだった。
そしてスタッフさんのサービスもこのレベルのホテルにしては……という印象。
素敵な方とそうでもない方の違いが結構感じられた。もしかすると研修中だったのかもしれない。
あまり各テーブルの状況を把握しようと動いてらっしゃらないなと思った。
贅沢な時間を過ごさせていただいたのは間違いないが、もしまたアフタヌーンティに行く機会があったとしたら、ペニンシュラを候補に挙げることは無いだろう。
珍しく伺ったすぐ後に記事を書いたのは、久々に外食で残念な気持ちになったモヤモヤを早く晴らしたかったというオチ。
でも、スコーンは史上最高に美味しかったのでまた買いに行きます。ご馳走様でした!