喫茶店、という響きや場所に憧れがある。
町を歩けばカフェに当たる、と言えるくらい街中にはカフェが溢れているけれど、「喫茶店」という言葉が相応しい場所はカフェに比べてあまりにも少ない。
喫茶店をそのまま英訳するとカフェになるのだろうけれど、両者の違いは単に言語の違いに留まらないものがあるような。
例えばカフェではコーヒーはブレンドのみ、他にカフェオレやラテ、コーヒー以外の飲み物のメニューが豊富にある気がする。
喫茶店ではコーヒーだけでもブルーマウンテンやらキリマンジャロやら、そこの店主のこだわりがメニューに込められているのでは。
そしてカフェにはPC片手に仕事目的で滞在する人がいて、喫茶店には仕事より本や新聞を静かに嗜みたい人が訪れる。
どれも勝手な想像で店によって違う部分も多々あるだろうけれど、私の中の区別はこんな感じ。
そして今回訪れた蜜蜂さんは、喫茶店ど真ん中のお店だった。
何せこのご時世で分煙すらされていない完全喫煙可のお店だ。喫茶店では煙草が吸える、というのも重要な構成要素の一つだろう。
私は嫌煙家なのでこれもあって二の足を踏み踏みし続けていたのだけれど、仕事で新井薬師周辺に行く用事があって、これは神の思し召しだと思い、えいや!と訪れたのである。
お店は駅からほど近く、外も中もとってもこじんまりしている。
感じの良いマスターがカウンター脇のテーブル席を勧めてくれて、一人なのに2名掛けのテーブル席を独占してしまった。
今回のお目当てはこちら。
なんとこのお店、一日中モーニングをやっているのである。
ちなみに今回写真は撮っていないのだけれど、やはりコーヒーは沢山の種類が載っていた。
事前の口コミでシナモンバナナトーストが美味しそうだなと思っていたのだが、飲み物にバナナジュースがあったのでチーズトーストを注文。
注文した後に作ってくれるバナナジュース。
牛乳か豆乳を選べる上に、砂糖不使用でバナナのみの甘さ。
これがとってもとっても美味しくて……喫茶店のミルクシェーキだのバナナジュースだのって、どうしてこんなにも優しい味がするんだろう。
そしてお待ちかねのチーズトースト。
半分はたっぷりのバター、半分にとろけるチーズが乗っている。半分に切ったあと更に斜めに切ってある独特の形で食べやすい。
はちみつとジャムはサービスで持ってきて下さる。
まずはバターの方をそのまま一口。
これは……バターを乗せてからトーストで焼いた、めっちゃバターがしみしみのやつだ~~~~!!!
焼いたトーストにバターを塗り溶かすのもいいけど、バターを乗せて焼くとそこだけ火が入らずに柔らかな絶対領域が生まれるの、大好き。
残った半分はジャムやはちみつで美味しくいただく。
そしてもう半分の本丸チーズトーストへ。
スライスチーズが淵の淵まで乗っていて、想像通りの美味しさ。パンがものすごい厚切りなのでかなり食べ応えがある。
朝トーストを食べなくなって久しいが、たまには食パン買ってみようかな~なんて思いながら、最後に残ったチーズトーストをぱくり。
……!チーズの下にバターが塗ってある!!!
なんとチーズトーストの2辺の内、片方にはバターまで塗ってあった。それだけの違いなのだけれど、これがもう悪魔的に美味しい。カロリーも脂質も悪魔だろうが気にならない。
これは意外に家でやったこと無かったなあ。
これからチーズトーストを焼く時は反面にバターを塗ることにしよう。前面だと少しくどいかもしれないので。
トーストなんで日本の半分くらいの家庭で毎朝焼かれているだろうし、実家でも朝はトーストだった。
それだけ親しみのある食材でも、お店の手にかかるとこんなにも贅沢な食事と時間になってしまう。
美味しいご飯を食べるのって本当に楽しい。
ちなみにこのお店、席に備え付けのカゴにお菓子がたくさん入っていて、自由に食べてよいらしい。
カントリーマアムとかベビースターとか麩菓子とか、ここぞとばかりに色々食べてしまい、かなりお腹いっぱいで退店。
端っこの席だったので煙草の煙もそこまで気にならず、とても楽しい喫茶店訪問となった。
あまりにも気に入りすぎて、同じ週に再訪したのはここだけの話。
ご馳走様でした!