呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

季楽@銀座

普段からとてもお世話になっており、このブログでも高頻度で登場している前職場のNさん。

そのNさんと新橋のふるさとさんで飲みに行った際、一緒に仕事をされているKさんという方をお連れいただいた事があった。

私は結構人見知りする方なのだが、Kさんはとても朗らかで話しやすい方で、初対面から楽しくお話させていただいた。2度目にお会いした時に連絡先を交換し、一度2人で飲みに行った事もある。

ひょんな事からこういったご縁が結ばれるから人生は面白い。美味しいものだけではなく、素敵な方とも引き合わせていただいたNさんには感謝しきりだ。

 

このKさん、お人柄も素敵なのだがお仕事も大変出来る方のようで、お話を伺っていると何やら色んな組織に属している上にそこかしこで仕事を任されている。

仕事が出来る人に仕事が偏るのは世の常ではあるが、一体いつ寝てるんですか?一日48時間あるか体が3つくらいないと捌けないのでは?と思う程の量なのだ。

しかも、仕事のストレス解消の為に夜はアニメや漫画や小説を読んでいるというから驚くほかない。

 

NさんもKさんが心配なようで、仕事から引き離して思いっきり息抜きしてもらおう!という事で今回久々に3人で食事を行く機会が出来たというわけだ。

NさんがKさんに何が食べたいか伺ったところ、鉄板焼きと返答が来たので鉄板焼きのお店へ。

 

もう、1Fのエレベーターホールからして高級感があるわいい匂いがするわで期待値が上がりまくる。

お店のある5Fに着くと、旅館の受付のような風情のある空間でお店の方が温かく出迎えて下さる。

 

こちらではカウンターは鉄板焼き、テーブルは蒸籠蒸しとメニューが分かれているのだそう。

というわけで我々一行はコの字のカウンター席へ。

 

その日の献立が席に用意してあると嬉しくなってしまうの、分かる人いる?

献立の下にあるのはナプキンかと思ったら布製のエプロンだった。流石銀座の鉄板焼き、焼き肉やラーメンで配られる紙エプロンとは質がまるで違う。記念に頂いて帰ればよかった。

 

前菜。芸術品のように美しい盛り付け。

一番奥がそら豆のお豆腐、そこから時計回りに佐賀で養殖されたサーモン、牛しゃぶホタルイカ

そうそう、こちらのお店は佐賀県産の食材が9割を占めるそう。というのも、JAさがが運営しているお店なのだ。

お豆腐は信じられないくらい滑らかな舌触りにそら豆の良い香りが鼻に抜けて美味しい。茶碗蒸しの容器くらいの量を食べたい。

サーモンは下に昆布の何かが敷いてあって、お醤油につけなくても美味しくいただける。

牛しゃぶはほんの少し火入れしてあって、ねっとりとろける触感。というか舌の上で溶けた。牛なのに。

 

さくら肉の刺身。

右がモモで左がロース。モモの方がほんの僅かにしっかりした食感で、赤身と脂のバランスが良くお肉の美味しさがしっかり感じられる。

ロースは脂の甘さが舌の上で広がって、これも先程の牛しゃぶと同様お肉なのに溶けていった。

小学生の時に馬刺しを食べて衝撃を受けて以来、馬刺しを愛し続けているが、これは人生でも1,2位を争う美味しさだった。

 

伊勢海老。写真で見るとそうでもなく感じるかもしてないが、相当大きい。

これを1人1尾いただけるのだから贅沢の極み。

鉄板焼きの海老ってこれまでは車海老とか天使の海老だったので、もちろん前述の海老ちゃん達も美味しいけど主役を張れる伊勢海老が肉の前座につくのが衝撃だった。

 

調理後の伊勢海老。

海老の身は弾力があってぷりぷりで甘くて、そしてこの白いソースが更に美味しさを引き立ててくれる。布海苔が入っているので、クリームソースなんだけど和風かつ磯の香りも含まれている。海老との相性抜群。

バケットがついてくるけどこんな小さいの1枚じゃ足りない!もうバケット1本くれ!ソースを1滴も残したくない!と思うくらい好きな味だった。

もう既に大満足してるけど、この後お肉も来るんだよね。幸せの洪水。

 

この後お肉、と言いつつまさかの鮑追加。ありがとうございます!

この鮑もめちゃくちゃ大きい。そしてまだ生きているのかぐにょぐにょと動いていた。

鉄板に乗せられてからもじたんばたんと蠢いていて、図らずも道徳の授業のような気分に。今際の際の鮑を動画に収めたのだけれど、貝がこんなに動くものだとは知らなかった。痛覚あるのかな……

 

こんなお洒落な姿にされてしまってまぁ……美味しくいただくので許してくれ。

葱がふんだんに使われたソースと、鮑のコリコリとした食感が楽しめる一品。

 

そしていよいよメインのお肉!!!

佐賀のお店なので、もちろん佐賀牛。そしてお野菜もたくさんあって嬉しい。

2回に分けて出して下さるとの事。焼き方はレアでお願いした。

 

あ~~~~~なんて美しいんだ。

私が外食が好きな理由として、勿論自炊では出せない味を堪能出来るという点も大きいが、盛り付けや器の美しさで目を楽しませてくれる点も大きい。

こちらのお店は食器も佐賀の焼き物を使っていて、とてもお料理が映えていて素敵だった。

 

お肉はすご~く柔らかくて、何も付けなくても塩だけで十分お肉の美味しさが分かる、焼き加減も完璧に好みと文句のつけようがない仕上がり。

わさび醤油につけていただくのも美味しかった。

フィレを選んだし見た目にも赤身がほとんどのように思えるのに、一口噛むとじゅわっと肉の脂の甘味が口に広がってびっくりした。

あと付け合わせの玉ねぎ、これもすっごく美味しかった!右端の白いかたまりはジャンボニンニクのガーリックチップ。

普通のニンニクの10倍くらいという豪快な大きさに反し、つんとした嫌な香りがせずニンニクの食欲をそそる良い香りがふんわり感じられる、上品な付け合わせだった。

 

お肉の牛脂を炒めて出た油で作ったもやし炒め。

もやしのしゃきしゃき食感の中に、たまに牛脂のカリカリになったお肉の部分が混じっていて美味しい。

 

締めのお食事。ガーリックライスと非常に迷ったが、僅差で白米を食べたい気持ちが勝った。

お味噌汁には今日のコースでいただいた伊勢海老の殻が入っていて、びっくりするぐらい良いお出汁が出ている。

白米も一粒一粒お米が立っている感じで、普段はお米にはおかずありきの私でも、お米だけを味わうくらい美味しかった。

この時点でかなりお腹がいっぱいだったのに、お店の方におかわりを聞かれておもわずおかわり……

だってこんなに美味しいお米、またいつ食べられるか分からないし……

しかも、Nさんからガーリックライスも分けていただいた。食べすぎにも程があるが、ガーリックライスも食べてみたかったので嬉しい。

シンプルに卵と葱で作られた、やはり上品な香りのするガーリックライスだった。

 

最後にデザート。

手前はデコポンのゼリー。ぷるんぷるんで、よくこの半月状に綺麗に切って出せるなと変なところで感心してしまった。

自然な甘さと酸味、ほんの少しの苦みが口当たりの良いゼリーに詰まっていて、半球分くらい食べたかった。

土台の白い部分はマカロンの皮の様な食感で美味しい。

 

奥は抹茶のティラミス。ティラミス大好きなので嬉しすぎる……!

マスカルポーネクリームの層、抹茶のスポンジの層、ザクザクとしたクランチの層と3層に分かれていて、それぞれ全く違う食感と味わいが楽しめる。

 

Nさんは糖質を控えているのでNさんの分と合わせて2人前のデザートをいただいてしまった。

美味しいものは一期一会なので遠慮はしない事に決めている。なんてカッコつけて言ってみても、実際はただの食いしん坊なのだけれど。

 

 

お食事はもちろん、内装や店員さんのサービスまで全て素晴らしいの一言。特に焼き場の担当の方と給仕の担当の方が、最初から最後まで変わらずに見て下さるのが嬉しい。

この日の給仕の女性、よくテーブルを見ていて下さっていて、こちらがして欲しい事をお呼びする前にして下さるという理想的な動きで尊敬しかなかった。

 

こういうお店が世の中にあるかと思うと、生きるの楽しい~!いっぱい美味しいもの食べるぞ~!という気持ちが湧いてくる。

願わくばKさんにも、同じような活力が湧いていますように。

ご馳走様でした!