呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

池袋寅箱@池袋

かれこれ東京に来てからもう10年以上の月日が経っているが、池袋という土地にはあまり縁が無い。
学生の頃に何度か遊びに行った際、すれ違い様に何やら破廉恥な言葉を呟いていく不届き者に何度も遭遇し、それを友達に話すと「あ~私も池袋でそういう奴に遭ったことあるわ」と言われ戦慄したためである。
学生時代に住んでいたのが八王子という平和な都下だった事もあり、池袋は私の中ですっかり「怖い東京」の代名詞となってしまったのだ。
ちなみに、場所は明記されていないが『臨死!江古田ちゃん』という漫画にも、主人公がすれ違い様に呟き族に遭遇する描写があるので、恐ろしい事に一定数こういった人種がいるらしい。

そんなわけで、色んなお店があるんだろうな~と思いつつ中々自ら足を踏み入れようとは思っていなかった池袋だが、中学時代からの友人が東京に転勤になり、お互いの中間地点がちょうど池袋という事でたま~に訪れるようになった。

今回訪れたお店は、この友人が急に「飲みたい!」と連絡をくれて候補に挙げてくれたところ。
飲まない人お断りを掲げているらしく、明確な基準は無いが100%飲まない人には当たらないであろう私を選んでくれたというわけだ。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13237870/

酒と鰻とジビエの店だなんて、鼻先に人参をぶら下げられるなんてものではない。
お店は池袋の西口から歩いて10分かからないくらいのところで、割と静かなエリアにある。
入ってすぐ大きなコの字型のカウンターがあり、奥にテーブル席もある模様。

前菜盛り合わせ

まずはすぐに出るものを、ということで前菜3種。
左から筋子の西京漬け、奈良漬けクリームチーズジビエの肉味噌。
筋子は醤油漬けよりも塩気が控えめで、西京味噌のまったりとしたコクが筋子の濃厚さを更に引き立たせていて美味しい。
奈良漬けクリームチーズ、ありそうで無かった組み合わせ。いぶりがっこチーズもそうだが、お漬物とクリームチーズの相性が良すぎてびっくりする。
肉味噌も噛むごとにお肉の旨味と味噌の甘辛さがじんわり口に広がり、少しずつ摘まみながらお酒が何倍でもいけそうな美味しさ。

お酒飲み比べ

お店の方のお任せで飲み比べ3種を。
貴以外は知らない銘柄で、特に鰹政宗はすごく気になった。が、一番好きだったのは瀧自慢だった笑。
左が一番さっぱりしていて、右にいくほどしっかりした旨味がある並びだったと思う。

今日の刺し盛り

左上から時計回りにガリしそ〆鯖、ぶり刺し、イカとホタテのナムル、鯛の昆布〆。
どれも美味しかったんだけど、断トツで美味しかったのはイカとホタテのナムル。
今まで食べたことが無い味つけで、確かゴマ油が効いてたのかな?もうめっちゃ美味しかった!
友達も一口食べて「これ美味しい!」と言っていたので、誰が食べても美味しいだろうと自信を持って勧められる一品。
ガリしそ〆鯖も、ガリのさっぱりした辛さと鯖の脂がバランス良くて、普通の〆鯖とは一味違ってて印象深い。

鰻2種盛り

色々とジビエがあって迷ったんだけど、鰻の文字が目に飛び込んで来て我慢出来なかった。
せっかくならと蒲焼・白焼きの2種盛りに。
山椒が苦手なので別添えなのもありがたい。
ご飯があったらやっぱり蒲焼かな~と思うけど、単体なら白焼きの方が好きかもしれない。
鰻とか牛肉なんかの脂が乗ったものにわさびを付けて食べるのは最高。

ウニいくらおにぎり

実はこのお店の後、前回臨時休業で行けなかったうどん居酒屋さんで締めのうどんを食べようと言っていたので、このお店では締めはやめとくか……と思っていたのだが、ウニといくらが乗っている焼きおにぎりなんて頼まないと死んでも死にきれないので半分こすることに。
炭でものすご~くじっくり焼き上げてくれるので、とても香ばしくて良い香り。
人気メニューらしく他のお客様も沢山頼んでいたようで、焼けたおにぎりが他の卓に運ばれる度に友達が「うちのはまだかな……」とソワソワしていて可愛かった。
焼きおにぎりだけでも美味しいのに、そこにトロトロのウニといくらまで乗っているのだから、もう口の中が幸せでいっぱいになる。
お寿司屋さんで頂くウニみたいな、全く臭くなくて甘いウニ。海苔もパリっとして磯の良い香り。

いや~~~~もうめちゃくちゃ良いお店だった。何を食べても美味しいし、シンプルだけど趣向を凝らした料理が多くて何を頼もうかワクワクしながら迷ってしまう。
ジビエは猪やエゾ鹿、兎などの定番から穴熊なんて珍しいものもあり、次回は是非穴熊を食べてみたい。

ギリギリ腹7分目くらいに収められたので、締めのうどんを食べに行くことに。

https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13003886/

池袋に住んでいる友達に一度連れて行ってもらったお店で、最初に行ったことのある南池袋店に行ったら満席で入れなかったので、初めて伺う本店へ。
居酒屋メニューも美味しいのだけど、流石に食べ過ぎなのでそれぞれうどんだけ頼む。
あとそれぞれ1杯ずつ日本酒も頼んだ。何を頼んだかは忘れた笑。

とろろそば

とろろそばに玉子を追加したら、なんと元々うずらの卵が付いていた。嬉しい誤算。
うずらの卵って、関西ではざるそばを頼むとねぎなどの薬味と一緒に出てくるのが定番だったが、関東では出てこない気がする。関西の文化なんだろうか?
うどんやそばのつゆは勿論異なるが、セットのご飯ものが関東は丼が多いが関西ではかやくご飯が多かった気がするし、そういう違いがどこから生まれているのか自由研究してみたい。

締めのうどんも美味しくつゆまで飲み干し、ご馳走様。
大満足の一日だった。
友達はまた何年かしたら転勤してしまうので、東京にいてくれる内に池袋の開拓をしていきたい。
ご馳走様でした!