呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

日本酒〈百光 別誂〉を飲ませていただいた

百光という日本酒をご存じだろうか。 いつ頃からか、ネットの広告でよく見かけるようになり、普段は広告なんて見ないものの 日本酒好きとしては見逃すわけにもいかずに広告をクリックした。 何やらものすごい上等の日本酒らしいが、抽選販売の上お値段が全く可愛くない。 四合瓶でこのお値段は庶民には手が出せぬ……と気になりつつも飲む機会は無いのだろうと諦めていた。

しかし生きていれば何が起こるか分からない。 先日恥ずかしながらフィッシング詐欺に引っかかった話をしたが、その事をNさんにお話ししたら、なんと丁度百光を購入したから元気付けに一緒に飲もうというお誘いをいただいたのだ。 これぞ災い転じて福となす。しかも最終的に詐欺のお金は返ってきたので福しかない。

そんな訳で、いつもお世話になっている麹町の今よしさんに持ち込みを許可していただき、お寿司と百光という夢の共演をいただくことに。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13187261/

いただいたものたち。 この日は百光に完全に気を取られていて、すっかり食べ物のメモを取り忘れていたので詳細が分からない…どれも美味しかったが、いくらとウニの一口ご飯がとんでもなく美味しかった事はよく覚えている。 あと焼き魚も美味しかった。幽庵焼きっぽい感じで味がついているタイプの焼き魚だった気がする。

そしておまちかねの百光。見た目はワインのよう。 おおお……あの洗練されたおしゃれなサイトで見たのと同じやつ……と感動。 開栓を促されたが、万が一にもこぼしたりしたら腹を切らねばならないので、大将さんにお任せした。

肝心の味については、勿論美味しい。 私が好きなフルーティですっきりとした雑味の少ないタイプ。熟しきっていない白桃のような、甘いけど少し青っぽさのある香り。 ただ、あまりに綺麗で上品にまとまりすぎていて、個性は少ないように感じた。 このお酒を美味しくないと評価する人は少ないだろうが、好きの上位に入れるかというとそうでもないというか…… 醸造元は楯の川酒造。楯野川は私も大好きなお酒で、日本酒を家に常備していた頃はよく買っていた。 このブランドの成り立ちとして、 「ワインやウイスキーに比べて日本酒は安すぎる」 「蔵元と日本酒の文化を100年先も守り、未来が明るくなるように」 という想いがあるらしい。 その想いには非常に共感するし、安くて美味い酒を作ってきた楯の川さんが、高くて美味い酒を作る事自体にも強いメッセージ性が感じられた。 日本酒飲みとして、こういうお酒が支持されている状況は非常に喜ばしい。

常飲するには懐が痛いが、日本酒好きには確実に喜ばれる銘柄なので、清水の舞台から飛び降りる気持ちで抽選に応募してみようかな。

ご馳走様でした!