呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

RIEDELのテイスティングセミナーとブションドール@銀座

ビール以外のお酒なら何でも飲む私。
特に好きなのは日本酒で、それゆえか今までワインは赤より白派だった。
2019年に友達が留学していたアメリカへ行き、一緒にワインの産地として有名なナパへ行った時も赤は申し訳程度で白を多めに飲んでいた。
(今思うとめっちゃ勿体なくて、ナパにリベンジに行きたい気持ちが日に日に増している)

しかし最近、30も半ばに差し掛かってようやく赤ワインの美味しさが分かるようになってきた。
ワインの美味しさが分かってきました、とNさんに伝えたところ、ワイングラスメーカーのRIEDELさんが開催しているテイスティングセミナーに連れて行っていただく事に。

https://www.riedel.co.jp/

ブドウの品種ごとにグラスを作っているというコンセプトを初めて聞いた時は、そんな違いが分かる人間がこの世にどれだけいるんだよと正直思っていたし、セミナーに参加する前も「全然違いが分からなかったらスタッフの方にもNさんにも申し訳ないな……」と楽しみな気持ちより若干不安が勝っている状態。
我々は銀座店で参加したのだが、グラスやデキャンタがずらりと並ぶ洗練された店内に足を踏み入れた時点で、もう不安など忘れて全力で楽しもう!と気持ちは全力で前向きに。
店のど真ん中に佇むコの字、というかUの字のテーブルに自分含み計6名の参加者が着く。
既にグラスが用意されており、プライベートでもワインを楽しんでいそうな素敵なスタッフさんがセミナーの説明をして下さる。

左の2つが白用、右2つが赤用。
まず1杯目の白ワインを一番左のグラスに注いでいただき、それを一番手前の脚が短く口が広がっているグラスとで飲み比べ。
これ、この日一番の衝撃だった。
RIEDELさんのグラスでは白ワインの香りが鼻にしっかり香ったのに、手前のファミレスとかでよくあるグラスだと鼻取れた?と思うくらい何も香らない。
え?え?嘘??と思ってめちゃくちゃ鼻に全神経を集中して、ようやくちょろっと香りがするかな?くらい。
味も全然違っていて、RIEDELさんのグラスでは爽やかな酸味が程よく感じられてすごく美味しいワインだったのに、手前のグラスだと全然味がしない。鼻どころか舌も無くなったのか。

こんな調子で、ブドウの品種(特徴)に合わせたグラスとそれ以外のグラスとでワインを飲み比べ、いかにグラスの形状がワインを味わうのに重要なのか、という事をみっちり60分教えていただいた。
同じRIEDELさんのグラスでも形状の違いでこんなに変わるのか、と驚かされっぱなし。
スタッフの方の説明によると、グラスでワインを飲む時にどれくらい傾けるか、それによって鼻がどれくらいグラスに入るか、舌の上をどのように通るかなど、色んな要素を計算して作られているらしい。
赤ワインは金魚鉢みたいなでっかくグラスで、白ワインはほっそりしてる、ぐらいの認識しかしていなかった私には本当に衝撃的な体験だった。

いつの間にか背筋がシャンと伸びるような瀟洒な店内ではあるが、スタッフの方も他の参加者の方々も皆朗らかにワインを楽しんでいて、良い意味で砕けた雰囲気でとても良かった。
そして更にすごいのは、このセミナーの参加費が5,500円なのに4,950円相当のグラスがお土産としていただける事
滅多に使わない強調文字まで使ってしまうくらい驚き。だってワインも赤白2種ずつ用意していただいているのに……完全に儲け度外視で、ワインとグラスの啓蒙の為に開催されているんだなぁと感動。
感動の余り、このセミナーがいかに素晴らしいかを後日色んな友達10人くらいに熱弁しまくった笑。
Nさんは既に4つ全種持っていらっしゃるとの事で、何と赤ワイン用のグラスを2つもお持ち帰り。
これからは家でもワインを飲むしかないな。

そんなこんなで素晴らしい時間をRIEDELさんで過ごさせていただいた後、空腹にワインを流し込んでほろ良い状態でこちらのお店へ。

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13095796/

牛ホホの赤ワイン煮込みが食べられるお店を探して辿り着いた。
厳かなフレンチも良いけどこういう気さくなビストロって大好き。

お通しのバケット
右の白いのはバターではなく香草が練り込んであるクリームチーズ。めっちゃ美味しい。
バケットが美味しいお店は料理も絶対美味しいの法則はある。

サーモンのマリネ。
華やかなオレンジ色のサーモンとグリーンのディルの対比が美しい。
のどぐろとかメヒカリみたいな尖った魅力のある魚は数多あれど、攻守最強の魚はやはりサーモンではないかと思う。

前菜の盛り合わせ。
ビストロやイタリアンの前菜盛り合わせっていかにも美味しそうなものがちょこちょこ乗っていて、色合いも華やかでわくわくしてしまう。
お肉のテリーヌやリエットは勿論美味しいが、地味にキャロットラペがオリーブオイルの良い香りとビネガーの酸味、にんじんの甘みがすごく調和していて好きだった。
このキャロットラペなら毎日タッパー丸々食べられそう。

お目当ての牛ホホ!
ホロホロのお肉の舌に濃厚なマッシュドポテトがたっぷりと敷いてあって、めちゃめちゃ美味しい。
何を隠そう、私はマッシュポテトが大好物なのだ。こんなに丁寧に裏ごしするのは面倒なので、絶対に自分では作らないが。
普段自宅ではあまりお肉を食べないし、食べるとしたら鶏肉が多い。
安くて美味しくてさいこ~と思っているが、たまに外食でめちゃくちゃ美味しい牛肉を食べると何故かひれ伏したくなる。

この日のメインイベントはRIEDELのテイスティングセミナーだったが、こちらのお店も大当たりで大満足の夜だった。
ご馳走様でした!