呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

夢心邸@麹町

私がフリーターになったのは2021年の3月から。早いものでもう2年が経つ。
前の職場でも今の職場でも、昼休憩なしで6時間勤務を貫いている。
拘束時間8時間の休憩1時間よりも、6時間バーっと働いてさっさと帰りたい。

そういう訳で平日はお昼御飯を食べる習慣がとんと無くなってしまい、1日2食の生活にもすっかり慣れてしまった。
しかしながら、今更になって前の職場の周辺には良さそうなお店が沢山あったんだな~と気付かされ、もっと開拓しておけば良かったとハンカチを噛んでみたりする。
今回伺ったのも、そんな「近くにある内に行っておきたかった」お店の一つ。

Nさんが見つけたこちらのお店、路地裏という言葉がぴったりな場所にあって、中々こちらが目的でないと来れないのではないかという場所。
日本酒が色々あって気になっておられたとの事で、ご一緒させていただいた。

https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13211377/

こじんまりとした店内で、床が竹を組み合わせたような面白い素材になっている。
後に聞くとご主人が内装も自ら行っているそうで、自分たちが通されたテーブル席のテーブルと椅子も手作りとの事。行動力がすごすぎる。

前菜

昔は美味しいものは沢山あればあるだけ良いと思っていたが、最近は美味しいものを少しずつ摘まむのが好き。
姫サザエ、玄米麩の田楽、柿とクリームチーズ、金柑、海老の芝煮、梅人参、新じゃがの土佐煮紫芋のレモン煮。
どれも美味しかったが、特に玄米麩の田楽は良かった。もちもちのお麩を揚げて甘い田楽味噌で頂く。
華美さは無いが、素朴で優しい気持ちになれる味。
ご主人曰く、こちらの麩料理は元々常連さんに出していたおまけ的存在だったのが、好評なので定番の一品に昇格したとの事。

お造り

ヘダイとカンパチのお造り。
淡泊で上品な甘さが感じられるヘダイと、歯ごたえのある食感と脂の旨味が感じられるカンパチ、どちらも甲乙つけがたい。

ローストビーフ

前スネ肉を使った自家製のローストビーフ
これ、この日一番のお気に入り。とっても柔らかいんだけど肉を食べている満足感がすごくて、自家製のソースがこれまた美味しい。

真鯛酒盗クリームチーズ

これもすごく美味しかった……
クリームチーズいぶりがっこと合わせるのも美味しいが、酒盗と合わせるのも大好き。
クリームチーズウィキペディアによるとニューヨークで誕生したらしい。こんな素晴らしい食べ物を生み出してくれてありがとう。
そしてクリームチーズを日本のつまみと組み合わせる事を思いついた料理人さん達もありがとう。
そのままだと少ししょっぱい酒盗が、クリームチーズと一緒だとまろやかで箸が止まらない一品に。酒盗の磯臭さが苦手な人にも是非食べてみて欲しい。

自家製からすみと紅芯大根

先程の酒盗クリームチーズで今回のコースのお料理はおしまいとの事だったので、もう少し何かつまめるものをとお願いしたら出して下さった。
がつんとした塩気と凝縮された旨味を持つからすみに、一口食べると口の中が大騒ぎになるが、それをさっぱりと大根で流すのが最高に美味しい。

柿のレアチーズケーキ

レアチーズと言いつつかなり濃厚で固めのプリンぐらいの食感。
和食のデザートは水菓子が多いが、個人的にはこれくらいしっかり目のデザートも嬉しい。

こちらのお店は福島のお酒を良く揃えてらっしゃって、飲んだことないものばかりで迷っていたらなんとこんな風に並べて説明して下さった。
早い時間に伺ったので、お店がゆったりしていた事もあるだろうけれど、初めて伺うお店でこんな手厚い対応をしていただけるなんてありがたすぎる。

現在夜はコースのみでの提供らしいが、居酒屋さんに寄るような感覚で伺える気さくな割烹屋さんだった。
ご馳走様でした!