呑んべんだらり

三度の飯と酒が好き

江戸富士@御茶ノ水

昨年末、会社の同じ業務チームで総勢5人の小規模な忘年会があった。
なんでも社長の知り合いがお寿司屋さんをしているという事で、なんと定休日にわざわざお店を開けて貸し切りにして下さるとの事。
というわけで伺ったのがこちら。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13071145/

御茶ノ水にある会社で働いており、途中までの道中がほぼ通勤路だったので懐かしさを覚えた。
ほんの2年前の事なのに随分昔の事のように感じるのは、私が年を取って日々の過ぎる早さが加速しているからだろうか。
年季の入った店構えと気さくな女将さんに迎えられ、こんなところにこんなお店があるなんて働いてる時は全然知らなかったな~とワクワクして料理を待つ。

からすみ大根

のっけからとんでもないものを出されてしまった。
写真だとそんなにインパクトが無いかもしれないが、からすみってこんな風に食べるものだっけ?
というくらいたっぷりのからすみが大根に挟まっている。
これはかなりしょっぱそうだなと思いながら頂くと、大根がちょうどよい緩衝材というか、からすみの塩気や磯っぽさをさっぱりと流してくれてすごく美味しい。
こちらのからすみは自家製らしい。1品目から贅沢すぎてお酒が止まらない。

玉子

実はからすみを食べながらも、大将さんが調理しているぷるっぷるの出汁巻きに目が釘付けになっていた。
お寿司屋さんの玉子って本当に美味しい。ほんのり甘めで優しいお味。

牡蠣と生だこ

これもからすみと同じく写真だと普通に見えるが実物はめっちゃでかくて圧倒される。
プリプリで濃厚な牡蠣と弾力があって噛めば噛むほど旨味が出るたこ刺しが、岩牡蠣の殻にこれでもかと詰まっている。
生牡蠣、海のミルクと呼ばれるだけあって飲み物だった。
この先も牡蠣に当たることの無いように祈るばかり。牡蠣が食べられなくなったら泣いてしまう。

ずわい蟹

蟹は何でも美味しいが、身をほぐしてくれているタイプの蟹は特に美味しい。
卵もたっぷり乗っていて、柔らかくて甘い蟹の身とぷちぷちの卵の食感の違いが楽しい一品。

金目鯛の塩焼き

これが運ばれた時「マジか……」と呟いてしまった。
一人一匹この子が食べられるなんて贅沢すぎないか?そして全体的に量が多すぎないか?
皮がぱりっぱりに焼かれていて、そのままでも美味しく頂ける塩加減。
身は程良く脂が乗っていて大根おろしと一緒に食べると最高。
やっぱり鯛の尾頭付きというのは、日本人ならどうしてもテンションが上がってしまうものなんだな。

ぶりしゃぶ

かな~り肉厚に切られたぶりの刺身が、さっと湯通しされたもの。
昔どこかでぶりしゃぶを食べてめっちゃ美味しかった覚えがあるのだが、これはそれ以上だった。
自分で鍋に入れる楽しみは無いものの、その分プロの火加減で絶妙に火入れされたぶりの身。
そのまま食べても美味しいのだろうが、少し火を入れるとより口の中で融けるような美味しさがある。

握り寿司

そして最後の最後、この壮観なお寿司たち。
イクラの粒が大きくて大きくて。右から2番目が確かカワハギと肝だったのだけど、こちらもすごく美味しかった。勿論どれも美味しかったのだけど。
シャリはそうでもないが、ネタがかなり大きく切りつけられていてかなりの量がある。
割と食べる方だという自負があったが、正直腹11分目くらいまで来ていた。

あら汁

真の〆はあら汁。あら、というよりは普通の身がゴロゴロ入っていて、お味噌汁を飲んでいるのか出汁を飲んでいるのか分からなくなるくらい、旨味が凝縮されていた。
大根もじゅわーっと味が染み込んでいて、こんなに美味しいあら汁が飲めるなら冬が寒いのも意味があるとすら思えてくる。

食いしん坊のプライドに賭けて何とか完食したが、かなり危うかった。
伺う前は帰りにアイスでも買って帰るかと思っていたがとんでもない。
しかし同行していた70代の男性(かなり細身)がペロリと平らげており、これが年の功か(?)……と心の中でこっそり尊敬した。

社長のお知り合いという事で、もしかしたら普段のコースよりも色々とお心遣いいただいたのかもしれない。
味も量も申し分なく、近所にこんなお寿司屋さんがあったら気軽に行きたくなる良いお店。
ランチもやっているようなので、御茶ノ水で働いている時に知っていたら是非行ってみたかったと残念に思う。

ご馳走様でした!